「未来の結婚相手の名前が、分かるらしいよ」
「えぇーーー?!」
「何で分かるとー?(博多弁)」
「そんなのまで見えるって霊能力者なの?」
友人が教えてくれた
未来が見えるという鑑定士に
さっそく会いに行くことにしました。
先生は
とても人気がある方なので
私の鑑定は
1ヶ月後の予約になりました。
先生のご自宅は
地下鉄で二つ目の駅から
歩いてすぐのマンションでした。
先生は、私より少し年上ぐらいで
落ち着いた感じの
ニコニコ笑っているおじさんでした。
私は少し緊張してました。
なぜなら…
先生には
私の心の中まで
見えるのかもしれないと思うと
丸裸にされるような気がして
落ち着かなかったからです。
先生は、自己紹介として
どんなことが見えるのかを
話してくださいました。
先生のお母さんも叔母さんも
同じような能力を持っていた方で
近所の人がよく家に来て
お母さんに
相談をされていたそうです。
先生が小学生だった頃、
お母さんと手を繋いで歩いていると
前から来るおじさんが
死ぬことが直感で分かったので
「お母さん
あのおじちゃん死んじゃうね」
というと
「そうだね」
とお母さんが言ったので
それが当たり前だと思っていたけど
小学校へ行くようになると
自分だけが
それを分かっていて
みんなの前で、
見えたことを口に出すと
気味悪がられてしまうことが
分かりました。
小学生だった先生が
「つとむ君
怪我をするから
遊びに行かない方がいいよ」
とお友達に教えてあげると
本当にその日、
工事現場近くで遊んでいて
足を怪我してしまったそうです。
どうして、
怪我することがわかったのか?
大騒ぎになってしまって
それからは
「見えても人に言ってはいけない」
と思うようになったそうです。
なぜなら
お父さんとお母さんは
近所の人に問いただされて
困っているし
友達からは
「お前、気持ち悪い」
と言われてしまう。
だったら
何も言わない方がいいと思って
大人になるまでずっと
人には言わないようにしていたそうです。
それから何年も経ち、
とてもお世話になっている方の
お母さんの体調が、どうしても気になって
「病院に行ってみてください」
と伝えたら
その方のお母さんは
すぐに病院に行き、癌が見つかり
一命を取り留めると
その方は
涙を流してお礼を言ってくれた。
こんなに喜んでもらえるなら
この力は使った方がいいんじゃないか
と先生は思うようになり
鑑定を始めたとのこと。
先生は、私にこう言われました。
「僕は、病気のことや
人が死んでしまうことがわかるから
そのまま伝えることができるけど
場合によっては
「聞きたくなかった」ということも
伝えてしまうことがある。
でも伝えてしまうと
聞かなかったことにはできないから
家族が死ぬなんてことは
聞きたくないというのであれば
先に教えてもらえますか?」
「うわっ
死んでしまうことも
分ってしまうんだ…」
と内心びっくりしました。
たしかに、
心の準備ができていない時に
家族が死ぬよ、と聞いたら
混乱してしまうかもしれない。
私は少し考えてから
全部を聞くことにして
私と家族が
何歳ぐらいまで生きるか
それから
病気にならないように
気を付けた方がいいことを
教えていただきました。
本当に聞きたかったこと
一通り先生の話を聞いて
他に相談したいことはないか?
尋ねられると
私は本当に聞きたかったことを
どう切り出そうかと
考えていました。
先生の鑑定では
結婚相手が誰か分かるらしくて
結婚したい人の名前を伝えたら
結婚するかどうか
あるいは
結婚したらどうなるかが
分るそうです。
たとえば
相談の仕方によると思いますが
結婚を迷っているなら
結婚した方がいいですか?
結婚したら幸せになれますか?
と聞いたり
結婚すると決めたけど
大丈夫かどうか
なにか気を付けることはありますか?
と聞いたり
実は好きな人が2人いるけど
どちらと結婚したらいいでしょうか?
と聞くと
アドバイスをもらえる。
先生からは
「この人と結婚したら
長く一緒に居られるよ」
「この人と結婚したら
障害がある子が生まれるよ」
「この人とは縁がないみたい
結婚しても離婚するよ」
というように
見えた未来を教えてくれた上で
「でも、決めるのは自分」と
自分で決断することを
促されるそうです。
先生のこの特殊な能力を
聞いた私は
失恋からどうやって
立ち直ったらいいのか…
先生に相談したかったんです。
失恋からの脱出
私には結婚したいと思うくらい
好きな人がいましたが
彼に三股をかけられていました。
もともと同棲している彼女がいて
そのあと私と仲良くなって
そのあと彼を好きになった
若い女の子がいて…
だいたい3人が
同時進行していたけど
他にも女の影がチラついて
バーテンダーだから
仕方がないと思ってました。
彼は女ったらしだけど
人当たりが優しくて
私に気を使ってくれるから
好きになったんだけど
いろんな女に優しくて
優柔不断で、1人を愛せない。
おまけに
彼は休まず働いても稼げなくて
同棲中の彼女や
他の女に依存しているダメ男で
会社員でバリバリ働いている私とは
全然釣り合わないんだけど…
女の扱いに慣れていて
私に優しいから
ダメな男と分かっていても
好きでしょうがなくて
失恋した時は
仕事も手につかなかった。
結局、若い女の子が
めちゃくちゃアタックして
彼を手に入れたみたいだけど
その子は嫉妬心が強くて
やや鬱っぽかった。
彼が他の女といると
狂ったように泣き叫んでいた。
私は彼とのことに
決着をつけたくて
先生の口から「彼とは縁がない」と
はっきり言って
欲しかったのかもしれない。
なんでも自分で決断できる
サバサバした性格の私でも
どうしても心の整理がつかなくて
藁をもすがる思いだったんです。
ドロドロの感情
先生は
彼のことはあまりどうこう
言わなかった。
もちろん、復縁なんて言わなかった。
先生は笑顔で
「どうして彼じゃないとダメなの?」
「今のままのあやさんでいい!
と言ってくれる男性は
” たくさん”いるよ」
「それなのに
どうして彼じゃないとダメなの?」
と優しく言ってくれました。
でも…
私は何も言えません。
どうしても彼が好き。
だから、許せない!
彼のことも
女の子のことも
憎んで、恨んで、死んでしまえ!と思う。
そんなことを思う自分が怖かった。
どうやって終わりにしたらいいか
分からなかった。
その日、先生は
「彼以外にも
男性はいーーーっぱいるよ!!」
と、何度も私に言って聞かせました。
自分を変える瞬間
数ヶ月後…
2回目の鑑定で
先生は私に
「人を理解すること」を
教えてくれました。
「自分が「普通」と思っていることは
他の人にとっては
「普通」ではないことがあるよ」
たとえばね
「あやさんが誰かに
プレゼントをあげたとしよう。
でも彼女はお礼を言わない。
そしたら、あやさんは
「どうしてこの人
お礼を言わないんだろう?」
と、怒っているよね?
あやさんは
どうして、怒ってるの?
育った環境が違うから
その人が育った家庭では
お礼を言わないのが
普通かもしれないし
人と物のやり取りを
したことがない家庭だったかも
しれないんだよ。」
あ、先生にはわかっているんだ。
私がいつも心の中で
イライラしていることが
先生にはわかっているんだ
と、ピンときました。
私は何も言えません。
先生は話を続けます。
僕はね、
漁師がたくさんいるところで
育ったんだ。
漁師さんの半分ぐらいは
入れ墨を入れていたんだよね。
だからよくお母さんに
「はんにゃのおじちゃんのところに
行ってくるね」
「こいのぼりのおじちゃんの
ところに行ってくるね」
といって遊びに行っていたんだよ。
だから入れ墨を見ても
何にも思わないんだけど
もしも街中で
入れ墨を入れている人を見た時に
あやさんが
「なんかああいうひとって嫌ね」
と言ったとしたら
僕は「どうして?」と思う。
だって、子どもの時から
入れ墨を入れている人を
良く知っていて、当たり前だったから。
入れ墨を入れている人を見ても
僕は何とも思わないけど
入れ墨を入れている人はこわい
と思う人もいるんだよね。
それは、どっちがいいとか
悪いとかではなく
育った環境が違う、ということなんだよ。
これはね…
鑑定に来たおぼうさんが
僕に教えてくれたんだけど
他人を分かろうとするのが
「修行」だと教えてくれた。
自分が100のことしか計れない
「ものさし」を持っていて
110の人が来たら理解できない。
でもその人を
理解しようとする
分ろうとするのが「修行」で
140の人が来たら
またその人を
分かろうとするのが「修行」で
そうやって
いろんな人のことを分かることを
悟り(さとり)だと
教えてもらったんだよ。
※悟りは差を取ること=差取りとも言う。
先生は続けます。
僕はね
相手の気持ちを分かろうとして
本を読んだり、勉強をすると
この人はこうなんだなと
相手を理解することができるんだ。
そしたら
相手に分りやすく
教えてあげたい、と思うんだけど
分からないことがあると
また本を読むんだよ。
先生が理解しようとするのは
相談に来られる
引きこもりや発達障害に悩む人達です。
アスペルガー症候群とは?
そして先生は、
私に聞きました。
「あやさんは
自分がアスペルガーだと
気づいているの?」
「えっ?!
…やっぱりそうなんですか?」
「うん、少しだけ持っているよ
レベル2ぐらい」
「なんとなく
もしかしたら、と思ってました」と私。
私は何となく
自分はアスペルガー症候群
ではないかと
うすうす感じていました。
先生に言われて、びっくりしたけど
やっぱりそうかと思うと
安心したような
腹落ちしたような気持ちになりました。
アスペルガー症候群を
簡単に説明すると
発達障害の一つです。
簡単に言うと
コミュニケーションが苦手です。
他には
すごくこだわりがあったり
感覚が敏感だったりする人もいます。
一方で、集中力が高く
職人みたいに
技を極めて仕事をする人もいます。
アスペルガー症候群は
「アスペ」と略されること
がありますが
アスペを持つ人の割合は多くて
10人中3人はアスペだと
言われています。
実は私の知り合いの女性を
見ていると
彼女はアスペルガーじゃないかな?
と思うことあって
気になって、
アスペの本を読んでみると
あれ?
なんだか私のことみたいと思い
もしかして
私、アスペルガーかもしれない
と思うようになりました。
だから先生に
「あやさんはアスペルガーだよ」
と言われた時
「やっぱり…」と思いました。
ガツンと来た、でもホッとした
「レベル2なんですね?」
と私が口を開くと
「そう、レベル2だから
社会生活はできてると思う。
だけど、生きづらく感じることが
あるかもしれないね。
どうして生きづらいかというと…
普通の人がなんとも思わないことを
あやさんはすごく傷ついてしまう
逆に、
あやさんがなんとも思ってないことが
他の人は、深く傷ついたりするんだよ」
「たとえると
あやさんが30傷ついて
お母さんに、
こんなことがあったと話をすると
お母さんにとっては
なんともない10ぐらいのことだから
そんなことは
気にしなくていいんだよ
と言われて
気持ちをわかってもらえなくて
さみしくなったり
落ち込んだりするかもしれない。
反対に
あやさんが、
何の気なしにしたことが
他の人をひどく傷つけている
こともあるよ」
先生は続けます。
「だから
自分とほかの人の感じ方が
違うんだということを
わかっていると
ひどく落ち込んだりしなくていいし
相手にイラついたりしなくていいよ」
先生にそう言われて
妙に納得しました。
私は子供の頃から
生きるのがつらかったのです。
生きづらかった 意味を知る
生きづらかった。
その一因が
アスペルガーだったと知って
すごく納得して、安心しました。
アスペルガーで
レベル2だと、ほとんど人には
気づかれないと思うんです。
だけど実は私は
人の輪の中に入るのに勇気がいったり
傷つきやすかったりして
とても生きづらかったんです。
私は生きているのが辛くて
死にたくなったことが
2回ありました。
1回目は14歳で
北海道から九州へ転校して
生活が一変した時。
転校先の中学校は
ヤンキーがたくさんいて
廊下ですれ違った時
先輩に会釈しないと
挨拶しろ!と
怒られる学校で怖かった。
博多弁もわからないし
学校のルールも違うし
同級生のヤンキーから
靴を隠されたりして
一度に友達を失って
新しい環境になじめなくて
ひどく心が傷ついていました。
お父さんのウィスキーを
隠れて飲んでみたり
煙草を隠れて吸ってみたり
しても
いっこうに心は晴れません。
さみしくて
さみしくて
さみしくて
死んだら、楽になれるのかな?
って思いました。
「私は何のために
生まれてきたんだろう?」って
「こんな苦しい思いをするために
生まれてきたのか?」って
思うと
涙がポロポロ流れてきました。
あの時、
私が死ねなかったのは
私が死んだら
死んだおじいちゃんが
悲しむだろうな
という思いがあったから。
子どもの頃から
いつも心の中で
おじいちゃんに話しかけていました。
いつもおじいちゃんが
守ってくれているように
感じてたから
私が死んだら
おじいちゃんが悲しむと思うと
死ぬことはできなかった。
2回目は就職した時。
社会人になると
今までの生ぬるい世界を脱して
厳しさを感じるようになりました。
今まで
出会ったことがないような人がいて
理不尽なことも起きました。
・意地悪な言い方をする先輩
・上司から怒られる
・お客様からのクレーム
・社内で起こる犯罪や不倫
・新入社員へのいじめ、えこひいき
私は
押しつぶされそうになりました。
今思えば
未熟すぎる自分が
引き起こしたことだったし
私に対応能力がなかっただけ
なのですが…
残業で疲れ果てて
部屋で天井を眺めながら
もう1mmも動けなくて…
かみそりで手首切ったら
死ねるんだろうか?
死んだら楽になれるのかな?
自分なんか
いなくなちゃえばいいのに
とか
自虐的な言葉が
どんどん出てきました。
この時
私は真剣に自分に問うたんです。
「本当に死ぬか?」
「それとも生きるか?」
結局私は
必死に考え抜いて
生きることを選んだ…
そして
生きると決めたからには
もう2度と
死にたいと言わない!と
私は絶対に幸せになる!と
決めた。
こうして私は
2回の死へ向かおうとする欲動を
乗り越えました。
先生の話で理解したこと
先生が話してくれた
アスペルガーの話に戻ります。
私は、転校を繰り返し
友人との別れがつらかったけど
他の人にとっては
大したことでないから
私の気持ちは理解してもらえず
私は自分の殻に
閉じこもってしまった。
その後、就職して
会社の先輩や上司、お客様から
の言葉に異常に反応して
他の人から見たら
大したことではないのに
傷ついて自信を無くしてしまった。
このように
つらい気持ちを
分かってもらえなかったり
相手の言葉に
勝手に傷ついてしまうのが
人と感じ方が違うからだ!
と分かりました。
原因が分かれば
これからは
「私はこう思うけど
あなたはどう思うの?」と
私を理解してもらう
努力をして
相手を理解しよう
とする努力をすれば
うまくいく!!!
と、やっと光が見えてきました。
お互いの気持ちを確認しあうのは
コミュニケーションの基本
なのですが
私はやっと気づけたのです。
悩みが解決できた理由
先生との出会いで
私が変われた理由は3つ。
・分らないことは人に聞く
・自分より経験豊富な人に聞く
・人と出会い、価値観を書き換える
私は失恋して前に進めなかった時
一人でモンモンと考えても
ダメだと思い
友達に相談し
友達に教えてもらった
鑑定の先生にも相談しました。
先生は圧倒的に
経験や知識が豊富なので
私が全く気付いていなかった
考え方の癖やアスペルガー
のことを教えてくれました。
恋愛だけでなく
全部の人間関係に関わってくる
コミュニケーションについて
教えてもらえたことは
本当に感謝しきれないほど
ありがたかったです。
私の人生の
ターニングポイントでした。
ステージという考え方
先生は
私よりも高いステージにいます。
先生は過去に
400人の社員を抱える
飲食店を経営していました。
面接をした人数は
1万人を超えます。
現在は複数の会社の
コンサルタントをしているので
経営者との人脈もある方です。
つまり
今までに関わった人の数や
経験、人脈が、桁外れで凄いのです。
会社員の私とは違う
広い世界を知っているという意味で
私より高いステージにいると
思っています。
私がどう頑張っても
自分では気づくことができない
「考え方、アスペルガー」のことを
高い次元から見て
伝えるタイミングを計り
分かりやすい言葉で伝えてくださる。
そんな素晴らしい先生に
相談できて、本当に良かった。
友達に相談しても
こんな風に
解決できなかったと思います。
すべてがつながる
そして
心理学で学んだことが
ここでつながりました。
私が好きな言葉です。
「人は人と出会うことで
いかようにも成長できる」
「人と出会い
自分の価値観を書き換えて
成長する」
人との出会いを避けて
小さな世界で生きていた私が
先生と出会い
成長できたことで
この言葉の再現性を実感しました。
あなたに伝えたい勇気
最後に…
私は50歳を超えましたが
20~40代の時は
上手くいかないことがたくさんありました。
今回お話しした
ダメ男との恋愛とか
2回死にたくなった話は
友人、知人に話したことは
ほとんどありません。
こんな話をしたら
引かれるんじゃないかと怖いからです。
でも、
この記事を読んでくれた人が
「あ、私と同じだ!」って
「たちあやは
こうやって乗り越えたんだ!」って
そう思って
読んでくれたら
安心するかもしれないし
希望になるかもしれない。
もしかしたら…って思うんです。
たった1人でも
助けることができるなら
私の経験を
私だけの中だけに隠さないで
言葉にしようと思いました。
書いてみて
「なんか、伝えたいことと
ニュアンスが違う」と思えば
書き直して
別の言葉に置き換えて
話す順序を変えてみて
もう一回読んでみて
やっぱり
書くのをやめようかな…
って思って消してみたけど
絶対に
誰かを助けられるはずだって
もう一度
自分を奮い立たせました。
勇気を出すのは
怖いけど
勇気を出して行動しなければ
何も変わらない。
自分を信じて勇気を出しました。
どうか、あなたに届きますように。
それでは、また
たちあや