絶対に会社を休めない日に、私は病院に居ました。
どうも、たちあやです。
仕事がハードすぎたり
会社の人間関係に疲れ果て
泥沼にはまって、抜け出せない人に
ぜひ読んで欲しい「私が泥沼から抜け出した話」をします。
一生懸命に働くのではなく
夢中になって楽しく働くために
気づきや、元気がもらえる話になっています。
楽しみに読んでみてください。
ブラックな会社
私はある化粧品会社で
通販サイトの運営を担当していました。
通販サイトでは
毎月1日の午前0時に新商品を売り出します。
お試し価格で安く購入できるので
午前0時を回ると、
お客様が一斉にサイトを見に来られるのですが
サイトへのアクセスが集中しすぎて
ボタンをクリックしても
次のページに進めない状態になるほど
ファンに人気のサイトでした。
そんな人気のサイトの毎月の更新作業は
私が一手に引き受けていました。
上司はシステムエンジニアで
販売商品を入れ替えたり
デザインを変更したり
日々のサイトの運用作業は私が担当し
サイトの仕組みは
外注業者に制作を依頼していました。
つまり
少ない人数でサイトを運営しているので
新商品を売り始める準備で
月末と月初は絶対に仕事を休めません。
一人で担当するのが
どれくらいハードなのか?というと
・月の半分は徹夜(深夜に帰宅)
・休みなし(公休でも仕事する)
・サイト以外の業務もたくさんある
という感じです。
うちの会社は
社長自ら、化粧品の原料の調合を考えて
新商品を出していくのですが
パンフレットの会報誌を制作して
それをもとに、サイトを作って
月末にサイトの商品を入れ替える
というスケジュールが
毎月繰り返されるので
もう毎日バタバタして
働いてました。
会報誌の編集部は、私以上にハードで
毎日残業で、徹夜続きなので
3ヶ月以上続く社員がいない
すぐ辞めてしまうのです。
仕事が忙しくても
忙しいことに意味があれば…
たとえば
この商品を世に売り出すことで
救われる人がいる
商品を待っている人がいる
だから、商品ができるまでは
寝る間も惜しんで、全力で働くんだ!
と全員が思っていれば
残業でも、徹夜でも意味があるし
期間限定で頑張ることはできると思う。
でも
うちの会社は違っていて
毎月新商品、会報誌を出していく
というスケジュールに無理があるし
トップ社員から
下働きのように、こき使われて叱られて
手足を動かし続けなければならない。
働きに対して、労ってもらうどころか
何をやっているんだと罵倒される
言葉は悪いが、奴隷のような扱いから
逃げ出したくなっても無理はなかったのです。
病院に駆け込む
サイト運営の話に戻ります。
会報誌がだいたい出来上がったら
商品画像をもらって
私はサイト用の商品画像を作る。
その画像をサイトに掲載して
価格を設定して
月末に差し替える。
女性の方は分ると思いますが
ネイルやアイメイクの商品は
カラーの種類が多いので、
商品の数も20、30と増えていきます。
商品名、画像、JANコード(商品についている番号)
そして価格を間違えないように設定しないと
・注文した商品が届かない
・セット商品で違う商品が届いた
・支払い金額がおかしい
なんてことになってしまうので
間違えないように、とても神経を使います。
そんな感じで…
事件があったその日も
夜中0時に向けて
新商品の準備をしていたのですが
私は朝から体が重くて、ふらふらしてました。
ここ1ヶ月ぐらい
栄養ドリンクを飲んでみたり
眠気覚ましのサプリメントや
疲労回復のサプリメント
を服用しましたが、まったく効果がない。
このままじゃ仕事にならないので
会社の裏にある
小さな診療所に駆け込みました。
先生との出会い
病院の診察室で
私は先生に症状を訴えました。
倒れそうなくらいきついけど
どうしても仕事を休めなくて
栄養ドリンクやサプリメントが
全然効かないから
シャキッとなるような
注射か点滴を打って欲しいと、懇願しました。
先生からも、いくつか質問をされて
1ヶ月ぐらいだるさが続いていること
夜は寝ていないこと
休日はないことを、伝えました。
先生はひととおり聞くと、私に説明を始めました。
「そもそも栄養ドリンクは
疲労回復には効きません」
「それから点滴や注射も
成分はビタミンなので、
やってもすぐには疲労は回復しません」
「だから仕事を休んで寝てください」
「休まないと(疲労は)治りません!」
まじか…
サクッと注射を打って欲しかった…
がっかりする私。
願いが叶わないことを知っても
このまま引き下がれない
どうしよ
「先生、でも
どうしても休めないんです」
「私の代わりに仕事ができる人がいないんです」
↓ 私の心の声 ↓
「新商品が入れ替わる日は
売り上げ金額が大きいから
絶対に失敗できない!
私の代わりをできる人がいないし
社長や専務に怒られるーーー(T T)泣」
冷静に考えたら
誰かが何とかするのかもしれなかったけど
30代そこそこの私は
自分が会社を休んだら、どうにかなってしまう
大げさに言うと「会社がつぶれる」と思い込んでました。
責任感が強い!と言えばかっこいいけど
結局、自分で自分の首を絞めてたなー
と、当時を振り返ると思います。笑
私は先生に救いを求めました。
「先生、どうしても仕事に行かないと…
これが終わったら休むから
だからなんとか
今日だけは何とかなりませんか?」
たぶん泣いたと思う。泣き落としです。
先生は、少し優しい口調に変わって
「だったら点滴をしていきなさい。
点滴をするということで
2~3時間ベッドの上で寝ていきなさい。
点滴の成分は
ビタミン剤のようなものだから
打ったとしても、すぐに元気にならないけど…
ベッドの上で寝れたら
少しだけでも体を休めることができるから
そうしなさい…」
どうしても首を縦に振らない私に
先生はもう一度繰り返し言った。
「そうしなさい
ベッドで寝ていきなさい。
そしたら少しは元気になるから」
ようやく私はうなづいて
先生に泣きながら、ありがとうを言った。
泣けてきた
病院のベッドの上で
天井を見ながら
「私、なにやってるんだろう」と泣けてきた。
「ベッドで寝ていきなさい」という先生の言葉にも泣けてきた。
先生は、私の会社を批判しなかったけど
「体を治すには、休むしかない」と断言した。
そうなると
今日は、何とか乗り切ったとして
明日からはどうするんだ?
毎回点滴を打ってもらうなんて
かっこ悪いことできない
私は先生に
何とかして働きたい、と言ったが
先生は
休まないと治らない、と言った。
大事なのは、仕事なの?自分の体なの?
どっち?と聞かれた気がした。
いや、先生は
「自分の体より大事な仕事って何?」
「仕事より、体を大事にしなさい」
と言っているんだと思えた。
今まで、仕事仕事と走り続けていた私は、
ガツンと何かにぶつかった気がした。
考えているうちに
うつらうつらと眠たくなった。
点滴が終わった。
優しかった看護婦さんと先生に、
どんなふうにお礼を言ったか覚えてない。
会社に戻ると
隣の席の同僚が
「やっと帰ってきた!」と安堵し
上司もやや心配した顔をしたが
みんなと私は
すぐに、いつもの忙しさの中にまぎれていった。
会社を辞めよう
私はこの日を境に
会社を辞めようと考えるようになり…
それから間もなく
帰宅時に
乗用車と軽い接触事故を起こして
「このままだと死ぬ」と思った矢先
東日本大震災が起きた。
あるネット通販会社が
福岡に本社を移転するとニュースに流れて
私はすぐに現地採用にエントリーして、内定をもらった。
いつも見ていたあのサイトが、
福岡に本社を移すなんて!
テレビを見る暇がない私が
たまたま、ニュースをテレビで見るなんて!
ドラマみたいな展開だと思ったし
救われたと思った。
偶然のチャンスを、私は掴み取った。
仕事より大事なもの
病院の先生に
「仕事を休んでください」と言われて
こんな働き方で幸せなのか?と思いました。
生きていくのに、お金は大事。
でも、自分の体はもっと大事。
家族との時間も、友人との時間も大事。
無駄に思えた時間も、
無駄ではなく幸せな時間なんだ。
24時間働き続けることなんてできないんだから。
泥沼から抜け出す
今回の経験から学んだのは
「仕事で泥沼にはまり、抜け出せない時」は
この3つで乗り切るということです。
・毎日60の力で働く
・プロに本気で相談する
・抜け出す勇気を持つ
解説していきます。
・毎日60の力で働く
自分が全力で働く時を
仮に100とすると
私は100か110で働いてました。
全力で働くというのは、
1日だけならいい仕事ができるけど
毎日は続かないのが欠点です。
100で働いたら
100を毎日続けることは難しくて
翌日は30ぐらいに落ちてしまう。
仕事の結果に波が出てしまうなら
60でいいから
毎日同じぐらいを続けた方がいい。
私は100で働くのを
1年間続けてしまったので
1年後に限界がきて
病院に駆け込んでしまいました。
「100で長く働くことはできない」から
「60を毎日続ける」のが大事。
・プロに本気で相談する
疲労感が続いて、仕事に支障をきたす
この悩みを「病院の先生」に相談して正解でした。
先生は国家資格を持っているので
治療方法をすぱっと話してくれますし
私が真剣に話すことで
先生も真剣に答えてくれます。
分らないことは、プロに聞く。
シンプルだけど
正解にたどり着く可能性が高く
解決までにかかる時間も最短です。
・抜け出す勇気を持つ
私は「なんとか仕事を続けたい」という考えでしたが
先生は「休まないと体壊しますよ」と別の考えでした。
全く別の視点からのアドバイスを受けることで
私は死を回避しました。
あの会社で仕事を続けていたら
疲労が続いて、体力がなくなり
事故で死んでいたかもしれません。
そして大事なのが
「このままだとやばい!」
と気づけた後に、行動できるかどうかです。
今までずっと続けてきたものを
あなたは、やめることができますか?
人は、本能的に変化を嫌う生き物です。
変化を感じると
死んでしまうかも?と脳が不安になってしまうのです。
ダイエットも同じ。
痩せたいと思って食べる量が少なくなると
脳は「死ぬんじゃないか?」と不安になり
食べろ食べろと食欲を出させるのです。
そういう脳の働きは
生存のためには大事なんだけど
自分の意志で「やるぞ!」と決めた時は
不安になったとしても
「えいっ!」と勇気を出して
行動する必要があります。
チャレンジ好きな私でも
一度安定すると
惰性で続けてしまうことがあります。
でも、ここぞという時は
勇気を出します!
仕事で泥沼にはまり、抜け出せない時は
立ち止まって考える絶好のチャンスだし
大きく舵を切ることで、人生が動き出します。
P.S 次にお話したいこと
私は転職することを選びましたが
この会社のままで、社内を改革することもできました。
・仕事のやり方を変える
・担当者を増やして分担する
など。
でも、社内を改革するには、1人では難しいと思っていて
自分に協力してくれる人を見つけるには
・やりたいこと
・やりたい理由
を伝える力が必要です。
30代の私は、指示待ち社員で
「できない、できない」
と自分ができないことを主張するのがやっとで
どうやって現状を変えたらいいのか
さっぱりわかりませんでした。
今思うのは…
「周りの人と協調性があることが大事」で
助けて欲しい、力を貸して欲しい
と周りの人にお願いできれば
仕事の結果は変わります。
「仕事のスキルと同じぐらい、協調性が大事」
と気づいたエピソードは
次の機会にお話ししますね。
それでは、また
P.P.S
現在では、疲労回復注射(にんにく注射)などの
栄養注射や疲労回復の点滴を提供している病院が増えています。
それでも、やはり疲労回復には睡眠が大事なようです。